アナル舐め(アニリングス)は、ねっとりとした粘膜の感覚、はずかしさのドキドキ、密着のあんしんが重なって、ふだんのプレイでは得にくい高まりを生む。いっぽうで粘膜どうしが触れ合う行為だから、ていねいな準備と衛生、合意の取り方が欠かせない。ここでは、気持ちよさを引き出す手順を男女別にまとめ、安全のコツと危険回避もくわしく解説する。合言葉は「ゆっくり・やわらかく・清潔に・いつでもやめられる」。
目次
まず知っておきたい前提
●合意と合図:はじめる前に、きょうはためす・いやなら止める・痛みや不快は合図、を短く確認。合図は「ここまで」「もうすこし」「いったんストップ」の三語でじゅうぶん。
●じゅんかつと温度:水溶性ローションやたっぷりのつばでぬらし、手や口をあたためてから触れる。乾きと冷たさは不快のもと。
●衛生:入浴やシャワーで肛門まわりをやさしく洗う。爪は短く、指輪は外す。必要ならビデで軽く整えるが、過度の浣腸は粘膜を荒らすので控えめに。においが心配なら無香のワイプを用意。
●バリア:デンタルダムやうすいコンドームを切って広げたものでバリアを作ると感染リスクを下げられる。口内に傷や口唇ヘルペスがあるときは中止。
●クロスコンタミ:アナル→口中→キス・クンニ・フェラの順番NG。アナルに触れたら一度区切って、うがい・はみがき・手洗い・バリア交換。
きほんの流れ(共通)
1.遠くから近づく:腰・おしり・ももうらを手で包み、呼吸を合わせる。緊張が抜けたら、肛門の外わくに息をかけ、ふれる/止めるを小刻みに。
2.円→線→点:しわの外まわりを円でなぞる→上下の線をやさしく往復→中心へ点のタッチ。触れたら必ず静止を混ぜ、刺激が染みこむ時間を作る。
3.舌のかたち:はじめは広い面、慣れたら舌先を短く。強さは羽、速度は呼吸なみ、角度は数度ずつ。
4.吸いの強弱:キスのように軽く吸う→離す→また吸う。長吸いは内圧が上がり不快になりやすいので短く弱く。
5.やめる自由:痛み・張り・こわばり・笑ってごまかす反応が出たらただちに停止。姿勢を変える、潤滑を足す、別のプレイへ移る。
女性のアナルを舐めたい男性へ(受け手=女性)
●体位
○いちばん楽:よつんばい(クッションで腰を高く、腹は支える)
○見せたい・支配感:まんぐり(ただし負担大。首と膝裏にタオル)
○やさしい密着:横向き(片脚を軽く前へ)
●焦らし設計
○クリまわり→会陰→外わく、の順路で。中心はあえて外して円を何周も。
○ときどき温風の息と冷たい息を交互に。温度差で感度が上がる。
●感じはじめの合図
○しわのぴくつき、呼吸の乱れ、腰が自然に前傾。ここで舌先の点を短く「トン」。
●舌入れのコツ
○先端をごく短く、入り口に一瞬だけ。入れっぱなし・グリグリ連打はNG。
○入口で小さくドリル→すぐ離れるをくり返す。離れたときに快感が染みる。
●同時刺激
○指は外側で支えるだけ。膣と会陰の間(Kスポット外側)にやさしい面圧。
○乳首やお腹へソフトタッチを足すと羞恥と快感が重なりやすい。
男性のアナルを舐めたい女性へ(受け手=男性)
●体位
○うつ伏せからおしりだけ上げる、またはよつんばい。
○深い角度ならちんぐりだが、腰と首に負担。短時間で。
●前戯の導線
○竿・袋の下側(会陰)を先になで、袋の付け根→会陰→外わくへ。
○緊張が抜けたら、袋と会陰の境目を面で包み、舌は外わくを円。
●相性がいい組み合わせ
○手コキ+アナル舐めは反射を高めやすい。手は弱くゆっくり、舌はさらに弱く。
○竿はローションたっぷり、アナルは舌の面圧中心。強い同時刺激は避ける。
●入れない勇気
○はじめは入口の外だけで十分。前立腺狙いはべつの準備と手順が必要。舌で無理に入れない。
よくあるつまずきと立て直し
●くすぐったい/力が入る:呼吸を合図に停止の時間を増やす。指で外輪をやさしく支え、安心の圧を。
●乾く/ひりつく:ただちに中断、じゅんかつ追加。乾いた摩擦はけがのもと。
●においが気になる:前にシャワー、仕上げにワイプ。気になったら無理せず終了。
●恥ずかしさで笑ってしまう:いったん抱き合って沈黙→呼吸がそろったら再開。笑いを責めない。
してはいけないこと
●いきなり中心を強く舐める・長時間吸い続ける・唾を勢いよく吹きかける。
●爪や歯を当てる、強い指圧で押し広げる、アナル→口→キスやクンニの逆流。
●いやがるのに続ける、合図を無視する、痛みや出血を軽視する。
安全と危険回避のポイント
●感染予防:デンタルダム、手袋、コンドームを用途別に用意。使い分け・交換を徹底。
●順番管理:口→性器の前に必ずリセット(手洗い・うがい・バリア交換)。アナル後にキスは避ける。
●体調確認:下痢・発熱・肛門痛・裂肛・いぼ・出血があるときは中止。受け手・与え手どちらにも口内の傷がある日は見送る。
●ワクチン:A型肝炎・B型肝炎の予防接種を検討。
●終了後:うがい、はみがき、手洗い、外陰のぬるま湯洗い。赤みや痛みが残るなら冷却して休む。
小さな上達のコツ
●間(ま)を味方に:触れる→止める→離れる→戻る、の四拍子で「染みこむ時間」を育てる。
●温度と音:あたたかい手・ゆっくりの吐息・小さな声の相づちで安心を重ねる。
●記録:よかった体位、だめだった強さ、合図のタイミングを短くメモ。次回が楽になる。
まとめ
アナル舐めは、派手さより安心と清潔、力強さよりやわらかさと間が効くプレイ。ゆっくり外から近づき、円→線→点でならし、必要ならバリアを使い、いつでもやめていいを合言葉に進める。安全の土台があるほど、感じ方は深くなる。二人だけの速度で、あたたかく、やさしく、快感の新しい扉をひらいていこう。